● トップインデックス>赤ちゃんポストについて

熊本のとある病院に通称「赤ちゃんポスト」が開設されて、さまざまな波紋をなげかけています。肯定派、否定派、それぞれに言い分があり、生や死に対する考え方があらわになって、それはそれでなかなか興味深いものがあります。

昔、福沢諭吉は「天は人の上に人をつくらず、人の下に人をつくらず」と言ったといいます。さまざまな解釈があるとは思いますが、わたしは、人の生は誰も侵すことのできない非常に神聖なものであると解釈しています。人の生は千差万別です。また同じにすることもできないものです。日本には、以前から家長制度、家族制度が厳然として存在し、その中の伝統文化と、社会とはあるときは共存し、あるときは敵対視しながら続いてきた過去があるように思います。

「赤ちゃんポスト」はそのような家長制度的なくくりの中では、反道徳的な行為を助長しかねないと警告が発せられますが、もともと人間の生は、家族のものではなく、天から授かり、天へ戻っていく経路にあたるものだとすれば、最低限その生を生かすことが、周りの人間がなすべきことでしょう。

生に対する慈しみと尊敬の上に、道徳も法律も、そして社会のシステムもあるべきで、本末転倒な論議は、ただ空しく響きます。

Copyright(c) 2007 horry. AllRightsReserved.